梅雨空の鎌倉
春が来る前に始まった新型コロナウィルスの影響は梅雨空の鎌倉の様々な場所で見ることが出来る。高齢者が罹ると重症化しやすいことから外出を自粛するよう言われて久しい。自宅に閉じこもりなす術もなく日が過ぎて行く自分を見ているだけで退屈極まりない。
あまり他人に会わないで行ける場所をネットで調べると鎌倉近代文学館が開いている。「ここだ」と駅からはバスを利用して行くことにした。乗客も少なく道路の混雑もない。思った以上に体力が落ちている。
長谷東町のバス停から瀟洒な街並みを眺めながら進み旧前田侯爵邸の門を左に見て長楽寺跡の坂を上ると受付である。建物に入ると検温し住所氏名と連絡先を記入させられる。館内にほとんど人がいないのに厳重警戒である。
鎌倉市歴史文化交流館でも入口での手指の消毒など同様の対応をさせられる。川喜多映画記念館、鏑木清方記念美術館を訪ねても同様の仕打ちをされる。ほとんど保菌者の扱いであまり気分は良くない。
神奈川県立近代美術館鎌倉別館の特別展の最終日にも出かけたがマスクの着用を依頼され神奈川県も鎌倉市も一律の規制で新型コロナウィルスから守るらしい。確かに訪れた高齢者が次々に重症患者になっても困る上に私も罹るわけには行かない。
観光客の姿がほとんど見えない今より混雑する鎌倉市内での日常が懐かしい。