海軍兵学校の教訓
私の生まれた昭和17年(1942年)は戦中と呼ばれる時代です。ややもすると否定的に捉えられやすい時代背景の中で忘れてはならないことがあると思います。
我が意を得たりと強く感じることを日経新聞の朝刊「私の履歴書」で大坪清さん(レンゴー会長兼社長)が書いておられました。異才の技術者として紹介した得能正照(とくのうまさてる)さんから教えられたという海軍兵学校の「五省」の記述が印象的です。
1、至誠に悖(もと)る勿(な)かりしか
1、言行に恥づる勿かりしか
1、気力に缺くる勿かりしか
1、努力に憾(うら)み勿かりしか
1、不精に亘(わた)る勿かりしか
「五省」をまとめる形で、言行不一致はなかったか、気力は十分だったか、ズルをしなかったか、とまとめてありました。
世界を見渡したか、倫理的に正しかったか、生き方という意味から追加したいこともあるでしょう。
3月31日の最終回でリーダーに必要な5要素を掲げられたことも印象的でした。モラル(道徳)、エシックス(倫理)、フィロソフィー(哲学)、センチメント(感情)、シンパシー(惻隠の情)とあって「人は信頼されたらそれに応えようという気持ちが働く。情のない経営は評価に値しない。そんな思いが海外の人にも理解されたことがうれしかった。」素朴に受け止められる文章でした。
中国・湖北省で生まれた(らしい)新型コロナウィルスの影響で東京オリンピック2020の1年延期が決まり「不急不要」な外出を控えるように通達が出されました。
それぞれの人が静かに自身の「来し方行く末」を考える機会が与えられたようです。